バカヤロウ、泣くなって。

ライブハウスというのは見えない掟みたいなのがあると思う。
そりゃもう暗黙の了解的な。
大体最前とか行く奴らはロック大好きでライブ慣れしてて飛んだり跳ねたり動き回って音楽に対する喜びを身体で表現する人たち。
いわゆるモッシュゾーン。
飛んだり跳ねたり揺れたり踊ったりして、音楽と一体化する。
意識が吹っ飛ぶ程に客が波を作って、みんな笑顔だ。
私はこの瞬間が一番「生きている」という気分になる。


最近よく「ライブハウス慣れしてない女子」を見かける。
中高生くらいの、若い連中なのだが。
アリーナクラスのホールからライブハウスに流れてきたのだろう。
そこからいきなり最前に行って慣れるのは難しいと思う。
勿論流れを理解できる人間もいるだろうけど。


大体ライブハウスは別にオシャレしてくる場所じゃない。
髪の毛は周りの人の迷惑にならないようにまとめて、スニーカーにTシャツとパンツ。
大体の人はこんな感じだ。
バック類はロッカーに突っ込む。前には持ってこない。
ボーっと聞きたい人は後ろで見る。
これはもはや普通である。
あと大声でボーカルと一緒に歌う奴が多いが、これは空気をもうちょっと読むべきだ。
いくらスキだからと言え、そのボーカルの声が彼女達のカラオケによってかき消される。
とても自己中心的だと思う。空気読め。
確かにアイドル級の大きなバンドの「コンサート」とかに行くと合唱はある。
私は嘗て某人気眼鏡バンドのライブに行った事があるが、酷かった。
合唱の嵐、黄色い声、ダフ屋に並ぶ女子、アイドルグッズに手を出す女子。
そういうライブばかり行ってる人だったら「いいライブだったー」と言うだろう。
でも私はライブハウス慣れしすぎてどうしても駄目だった。
あんなのロックじゃない。


きっとロックバンドってつくファンによって明暗分かれる部分があるだろうな。
キャアキャア言われるバンドは、CDやグッズはかなり売れるだろう。
経済面として、安泰。
でもロックに拘るバンドで、CDのセールスがあまりよくない人たちの方が得られるものがたくさんある気がする。
少なくとも、私は。
ロックが好きだから。
私の中のロックンロールはそういう感じ。
「女子供にはロックなんて解らん」って今まで差別的な言葉だと思っていた。
でもなんとなく解る。
キャアキャア言ってるうちはロックなんて理解出来ないのだろう。
多分女子の中でホントにロックが好きでライブ行く奴は2、3割くらいだと思う。
その2、3割に、私は入りたい。
ロックスターとセックスしたい訳じゃない。
ロックンロールが好きなだけなのだ。
ロックンロールを求めているのだ。
ロックと一体化した時のあの瞬間の幸せ。
まさに変態だと思う。













(本日の一曲:青い夏/スパルタローカルズ